建築設備CADオペレーターってどんな仕事なの?
CADオペレーターって収入が低そうだなぁ。
CADを始めたいけど需要あるかなぁ。
色んな疑問があるけど建築設備CAD歴17年の私がすべてお答えしますね。
建築設備CADオペレーターとはどんな仕事なの?
建築設備CADとは、建物内の電気や空調、給排水などの設備をパソコン上で描くコンピューターソフトです。
オペレーターはそのソフトを使って仕事をする人のことを指します。
機械や家具などに利用されているCADと比べて、電気配線や配管、ダクトなどの専用コマンドがあります。
設計・施工の建築現場では、ほぼ100%CADを活用しています。
簡単に言うと、パソコンで建築図面を描くツールです。
建築設備CADオペレーターのおもな仕事内容
CADツールを使って図面を描く人をCADオペレーターと言います。
電気設備であれば電気の盤からスイッチ・コンセントまでの配線を描いたり、照明器具の配置などを描きます。
電気設備の図面はこんな感じです。
空調設備ではエアコンの配管や換気扇のダクト、衛生設備ではトイレや洗面台などの給水・排水配管を描いていきます。
私の専門は空調・衛生設備です。
空調設備の図面はこんな感じです。
衛生設備の図面はこんな感じです。
図面はおもに設計図と施工図の2種類あって、それぞれ仕事内容が違います。
設計図とは、この部屋にはこれくらいの大きさのエアコンをつけて、換気扇・コンセントの位置はここにつけて・・・など、それらを図面に表現したものです。
設計業務は、建物内の用途や収容人数から安全でより快適に過ごせるように計算をして、機械の大きさや位置などを決めることです。
施工図とは、実際に現場で工事をするための図面です。
壁からこの位置に配管を取付けて、配管はこれくらいの太さで、機械に接続する電気配線はこのルートで・・・など設計図をより詳細に表現したものが施工図になります。
建築設備CADオペレーターの残業時間はどれくらいあるの?
正直、施工図の建築設備CADオペレーターで毎日定時で帰っている方を見たことがありません。
もちろん、携わっている現場や会社によって違いますが、月に20時間から60時間はある事が多いです。
現場は土曜・祝日も工事をすることが多いので、休みは週1回になりがちです。
休みは少ないのかぁ・・・
設計業務であれば残業も少なく、週休2日の所が多いですよ。
施工図を描いていると、お客さんからの変更があったり他業者との打合せで納まりを変更すること多々があります。
場合によっては、ほんと一からやり直すこともあります。
それでも納期は待ってくれないことが多いので間に合わせるために、日々時間に追われているのが現状です。
「CADはやめとけ」と言われる一番の原因ではないでしょうか。
近年、働き方改革で残業時間は少なくなってきている印象ですが、月に80時間を超える方も中にはいらっしゃいます。
建築設備CADオペレーターはどんな働き方があるの?
派遣が多いイメージだけど実際はどう?
ここでは、建築設備CADオペレーターはどんな働き方があるか見てみましょう。
まずは下記のグラフを見てください。
画像をタップすると拡大されます。
出典:CADオペレーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
建築設備CADに絞ってはいませんが、CADオペレーターで一番多いのは正社員です。
代表的な就業形態3種を見てみましょう。
①正社員
正社員として働いた場合は、現場に常駐するのは少なく会社内で仕事をすることが多いです。
そのため、1つの現場だけでなく2つ3つと掛け持ちすることもあり、1年中忙しくなります。
②派遣社員
現場に常駐されているCADオペレーターは派遣社員の方が多い印象で、現場が終わればまた別の現場へ派遣されるのを繰り返していきます。
現場所長と気が合えば同じ現場を一緒に回ることになるでしょう。
③自営、フリーランス
自営、フリーランスでされている方の大半は、在宅で作業をしているのではないでしょうか。
直接クライアントから仕事を受けて、図面を納品して報酬を得るのが大きな流れです。
基本仕事は自分で探すことになりますが、自営、フリーランスになる前に人脈を構築しておけばクライアントの方からも連絡があるでしょう。
私もフリーランスでしています。
建築設備CADオペレーターは在宅でもできるのか
CADはパソコンを使って操作するので、パソコンとCADソフトがあれば在宅でも可能な職種です。
コロナ禍になって、より在宅ワークが浸透してきたのではないでしょうか。
打合せもオンラインでできるし、データはメールで送信すれば現場の外に居ながら作業はできます。
家庭と仕事の両立もできそうだね。
ただ1つ難点なのは、現場の雰囲気をつかみにくいことです。
建物としてでき上がっていく中で、図面では分かりにくいところを自分の目で確認できたり、工事をする職人さんと細かな話をすることなど、良い図面を描くのに必要なことが、在宅で作業をしていると難しく感じます。
なので、定期的に現場に出向いて確認したり、担当者とコミュニケーションを取ることが必要になるでしょう。
建築設備CADオペレーターの年収は?1千万円も可能!?
まずはこちらを見てください。
画像をタップすると拡大されます。
出典:CADオペレーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
建築設備CADオペレーターのみの統計ではありませんが、統計データ左下の賃金(年収)欄をみると平均年収は約460万円です。
月計算で約35万円+賞与でしょうか。
日本人の平均年収が約450万円なので、ほぼ同じくらいと言えますね。
未経験から始める方の求人情報を見ると、正社員、派遣社員ともに年収約300万円です。
ただ、良い図面というのは現場にとって非常に価値のあるもので、工事が円滑に進むのであれば高い人件費を払ってでも図面を描いてほしいと言われることがあります。
実際に、月100万円で契約している方や、時給4,000円で描いている方もいらっしゃいますので、年収1千万円も夢ではありません。
最低でも10年以上の実務経験が必要かなぁ。
【建設業2024年問題】CADの需要、将来性について
建設業2024年問題で残業時間も厳しく管理されている企業も多くあって、仕事を分担しなければいけません。
本来は現場を管理している方が図面を描けば、打合せなどもスムーズに行うことができますが、日中は現場の安全管理や打合せなどで図面を描く時間がなかなか確保できません。
働く時間に制限がある以上、現場業務と図面業務を分けざるを得ない状況です。
そこで私たち建築設備CADオペレーターの需要がますます高くなっています。
図面を描くスキルがあれば仕事に困ることはないでしょう。
まとめ
以上、建築設備CADオペレーターについてお伝えしました。
建築設備CADオペレーターに興味がある方は参考にしてくださいね。